音楽療法
音楽療法最前線・増補版小松 明 ・ 佐々木 久夫 編 / A5判上製 394頁 /
税込3675円 / ISBN4-89007-096-6 C0073〔ご注文はこちら〕 〔出版案内表紙へ戻る〕
〔音楽療法関連書籍へ戻る〕「音楽が心の歪みを癒すメカニズムから、音楽療法のあり方や問題点まで、その考察の及ぶ広さ、深さに感動すら覚える。音楽ファン必見の書といえるだろう。」
「教育医事新聞」 他の書評を読む音楽療法入門に最適の1冊。「音楽はなぜ心身を癒すのか」との問いかけに、科学の眼で迫る!各トピックごとに対談形式で分かりやすく語られる。
検索語:音楽療法,科学的,定量的,客観的,根拠,メカニズム, 治療,効果,医学,生物学,生物物理学,物理学,音響学
音楽療法最前線・増補版
もくじ
増補にあたって第1部 ポストモダン―音楽療法
ゲスト 日本バイオミュージック学会事務局長 田中正道
「神の声」を伝える魔術―古代の音楽療法
背景にあった「精霊病因説」
魂のカタルシス理論―ギリシャ時代の音楽療法
あそびだった「音楽」
ギリシャ哲学の音楽理論
自然の法則と音楽の法則
「精霊病因説」からの脱却―中世の音楽療法
音楽治療の具体的適応が確立
観念論から実用的価値の追及―近代の音楽療法
音楽処方へのステップアップ
音楽療法のコンセプト
科学技術の進歩が音楽療法を促進
「心理」から「生理」へ―現代の音楽療法
「同質の原理」とは何か―アルトシューラーの理論
「行動科学的治療原理」―シアーズの理論
「ノンバーバル・コミュニケーション」としての音楽療法
ポストモダンとしての音楽療法
第2部 修復の医学―音楽療法
ゲスト 龍角散社長 藤井康男
科学と宗教と芸術
右脳と音楽
音楽脳が残存能力を引き出す
日本人の脳の特殊性
発見のきっかけとなったコオロギの音
音楽と“ゆらぎ”
音楽と脳内物質
DNA音楽
右脳を大切に
第3部 音楽療法の心身医学
ゲスト 東邦大学心療内科教授 筒井末春
「作られた病気」│ストレス疾患
音楽療法の心身医学的アプローチ
音楽療法の形式
うつ状態に音楽療法を試みた例
過食症に音楽療法を試みた例
登校拒否に対する音楽療法
不定愁訴に対する音楽療法
・頭頚部の不定愁訴
・過敏性腸症候群
音楽療法は積極的支持療法
音楽療法の心身医学的意義
第4部 音楽の大脳生理学
ゲスト 日本医科大学教授 品川嘉也
右脳と左脳のはたらきと「音楽」
音楽の大脳生理学
脳波と音楽
日本人と音楽
リズムは生命の根源
科学と芸術
第5部 1/fゆらぎと音楽療法
ゲスト 東京理科大学教授 武者利光
1/fゆらぎとは
1/fゆらぎ研究の領域
1/fゆらぎと生体
1/fゆらぎと音楽
・楽器の音のゆらぎ
・ビブラートの効果
音楽の快適さとゆらぎ
・生体のリズムと1/f ゆらぎ
・現代音楽と1/fゆらぎ
価値判断の基準
音楽の「個性」と予測
1/fゆらぎの整合性
音楽療法と1/fゆらぎ
方法論的に確立すること
第6部 ボーンコンダクションと音楽療法
ゲスト 組織工学研究所所長 糸川英夫
航空工学から音響工学へ
ヴァイオリンのサウンド・サイエンス
音のチャンネル
音楽は身体で聴く
チャンバーミュージックと体感音響装置
体感音響振動装置の作用機序
ボーンコンダクションと音楽療法
メンタルバイブレーション
生命の根源に関わるものは「からだ」で聴く
科学者側からの日本論
第7部 音楽美学と音楽療法
ゲスト NHKチーフディレクター・音楽担当 大濱純三
音楽美学とは何か
音楽環境の重要性
幼児期の音楽環境と音楽美学に基づいた選曲
名曲とは何か
選曲の五つの規準
音楽美学の歴史
日本人の音楽観
音楽療法の現実
「音楽健康法」「音楽療法」への提言
音楽の聴き方
第8部 水の科学と音楽療法
ゲスト 生命の水研究所所長 松下和弘
音楽のもたらす「意外な効果」
音楽振動によるワインの醸造
酒は揺られて育つ
熟成のメカニズム
「疑似熟成」について
ソムリエも驚く
音楽振動の物理特性
・音楽振動と音響(空気)振動
・音楽振動と超音波振動
・音楽振動と単一周波数振動
・1/fゆらぎ振動と連続波振動
・微弱な振動エネルギー
出力が小さいことの意味
水の構造
生命と水の特性
水の人体生理学
第9部 日本の音楽療法の現状
ゲスト 日本バイオミュージック学会事務局長 田中正道
音楽療法の現代史
日本における音楽療法の経緯
日本バイオミュージック学会の設立
「音楽療法」と健康科学
方法論としての具体策
老年医学における音楽療法
痴呆症に「BSR療法」を試みた一例
「BSR療法」の作用機序
癌末期患者の音楽療法
ターミナルケアにおける音楽療法の意義
外科領域における音楽療法
歯科領域における音楽療法
成分献血の音楽療法
人工透析の音楽療法
胎教としての音楽療法
その他の音楽療法
音楽療法とクオリティ・オブ・ライフ(QOL)
音楽療法士の資格制度
第10部 音楽療法士資格認定について
全日本音楽療法連盟結成の経緯
「全日本音楽療法連盟認定音楽療法士認定規則」と「音楽療法士専攻コース・カリキュラムに関するガイドライン96」の作成
申請手続き
・日本バイオミュージック学会、臨床音楽療法協会の会員になるには
・申請書類(認定規則)の入手方法
・申込先住所
・申請書類の第一回受付は九六年(平成八年)十二月一日から同月末日まで
・第二回以降の資格認定について
・審査を受けるための条件
・申請書類の書き方
・資格の申請は自分が所属する団体に
・審査は全音連資格審査委員会が
・認定証の発行
資格を申請する立場から「音楽療法士認定規則」を見る
・資格認定と暫定措置期間
・資格認定と猶予期間
・資格の更新
「音楽療法専攻コース・カリキュラムに関するガイドライン96」について
音楽療法士になるための研修など
音楽療法の制度化で重要な医療保険点数の取得
補注
参考文献
おわりに
資料 ポドルスキーの音楽処方曲目リスト
資料 名曲・名演奏による環境づくりシリーズ 曲目・演奏者一覧表
資料 音楽療法国内文献リスト
資料 音楽療法専攻コース カリキュラムに関するガイドライン96
資料 全日本音楽療法連盟認定音楽療法士認定規則〔ご注文はこちら〕〔出版案内表紙へ戻る〕
〔音楽療法関連書籍へ戻る〕「・・・音楽療法を実践する専門領域の人の多くなりつつある現状では、その知識の展望はまさに望ましいところである。論述されるゲストは音楽療法および周辺科学の超一級の方々である。(中略)司会役の佐々木氏とホスト役の小松氏のコンビが、ゲストの先生方のみでは、あるいは語り及ばなかったかもしれない部分を補い、またさらに読者の側にそった視点から課題を引き出して、本書に『最前線』と題する価値を与えているように思われる。」
評者 徳田良仁 長谷川病院副院長 「心の科学」「 対談形式をとっていることで、専門的内容でありながらも非常に興味深く読みやすくなっており、さらに対談の内容が、豊かな広がりを持ちながら発展していく様は、司会者である佐々木久夫氏の巧みなアプローチによるものではないかと思われます。」
駒ヶ根ゆかり 東札幌病院 音楽療法士 「看護」
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