アーユルヴェーダ
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現代医学にとって極めて刺激的な書
聖路加国際病院理事長・名誉院長
日野原重明
このたび、珍しい健康の教典の書が出版された。実証的なデータをもち、できるだけ数量化した表現で記述される近代医学とは全く正反対に、古代インドの哲学の上に築かれた医学、それは細胞とか器官とか組織を分析するのでなく、病む人間を中心に考え、強い生命力をもつ人間の全体を目標として、人間のもつ回復力または抵抗力(それは近代医学では免疫学とも言うが)を最大限度に発揮させて自然治療を求めるという教典である。 このインドの「アーユルヴェーダ」の考え方を中心にインドの三大医書の原点とされている『ススルタ大医典』が日本語に翻訳されて、『アーユルヴェーダ≪ススルタ≫大医典』という名の医術の本が日本語で記述されて刊行されるにいたったのである。これはインドの原典が英訳されたものの日本語訳と言えよう。
現代医療が、科学的な実証性中心に進歩する中で、医の原点に返った立場の古典的全人的医学が今や注目され、古きものの中の不易なる医術を探してこれを現代の医術に適用することは非常に心をひくのである。
そのような教典が極めて分かりやすい日本語で書かれており、これを健康者に、病む人のために適用することは、現代医学にとっても極めて刺激的なものと思えるのである。本書が科学主義のみでは解けない医術の書として、臨床医の間にも広く活用されることを望む次第である。