ターミナルケア死生観関連書籍

ターミナルケアにおけるコミュニケーションスキル

日本史の臨床研究会・編 A5版並装 149頁
税込み2310円 / ISBN4-89007-161-1 C3037 

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本書は死の臨床研究会教育研修委員会が主催していた教育セミナーの主要な部分を、会員と分かち合うために、まとめたものである。

適切なコミュニケーションは、臨床の場ではすべての場面で必要となる。(中略) しかし現場では絶えず様々な出来事が起こり、その都度何らかの対応を迫られるのに、おそらく多くのスタッフは自分がその場面にあった対応が出来ているかどうかに不安をもっている。(中略) だが誠実に患者やその家族に向き合おうとすれば自分の力に不安や疑問を持つ事は当然のことだと思う。

本教育セミナーは、知識レベルの教育や研修だけではなく必ず、それらを役割を換えながらのロールプレイを通し、実際に役立てるようにプログラムを組んできた。本書はその成果の一部である。

 

もくじ

発刊の言葉
発刊によせて

Seminar1

医療の場における
コミュニケーション
ミラーリング効果と共感効果

宗像恒次(筑波大学)

Lecture 講義

セミナーの三つの要素
「健康」をめぐる基本的な概念
カウンセリングとは
  ミラーリング法 / 同情――救世主――共依存 / 共感――内省――自己
カウンセリングのためのチェックリストの解釈
  感情認知困難
カウンセリングの基本姿勢
  上手な聴き方―listening(傾聴) / 心理ブロッキング /
  観察のポイント―キーワード、キーメッセージ / 確認とテーラーリング /
  共感とイメージ力 / 心の声 / 共感、フラッシュバック、生理学的変化

Role Playing ロールプレイ

ミラーリング効果を高める
  沈黙のゲーム / 好ましい聴き方、好ましくない聴き方 /
  効果的繰返しのロールプレーイング
共感効果を高める
SATカウンセリング法(Basic)の手順

 

Seminar2

リラクセーションと
臨床の実際

小池眞規子(目白大学人間社会学部助教授)

Lecture 講義

ストレスとリラクセーション
リラクセーションの効果
リラクセーションの4つの方法
  呼吸法 / 自律訓練法 /漸進的筋弛緩法 / イメージ法
リラクセーションを行なう時の留意点

Workshop ワークショップ

呼吸法、漸進的筋弛緩法+イメージ法
自律訓練法+イメージ法

 

Seminar3

臨床現場における
コミュニケーションの
基礎と実践

庄司進一(筑波大学臨床医学系神経内科・教授)

Workshop ワークショップ

アイスブレイキング
  ■1 グループ分け「ジャンケンムカデ」
  ■2 自己紹介と他己紹介
演習
  ■1 「距離」を体験する 
  ■2 「向き」を体験する 
  ■3 「視線と沈黙を体験する」

Lecture&Roleplaying 講義&ロールプレー

演習
  「傾聴」・非言語的コミュニケーションを体験する/エンディング

 

Seminar4

看護死の職場でのストレス軽減法と、
患者が満足するコミュニケーションスキル

益子育代(ヘルスヒーリング研究所所長)

Lecture 講義

カウンセリングスキルとカウンセリングマインド
行動変容と自己成長
アセスメントと問題解決能力
患者が受ける3つのストレス
アセスメントをするための基本的なコミュニケーション技術
相手を理解する
「甘えたい」、「期待に応える」、「困らせたい、心配させたい」という三つの行動
ロールプレイ / カウンセリングのポイント:傾聴〜共感
  ■1 傾聴の姿勢、態度
  ■2 視線をどう合わせるか
  ■3 こころとからだの緊張は一致する
  ■4 傾聴を妨げるブロッキング
  ■5 確認してブロッキングを外す
  ■6 自分はなんでブロッキングが起きやすいのかを知るためのチェックリスト
  ■7 閉じた質問と開いた質問
  ■8 共感の限界
  ■9 共感した上で出た感想は励ましになる
まとめ

One Point Workshop ワンポイントワークショップ

肩もみ

Roleplaying ロールプレイ

コミュニケーション技術としての「観察、傾聴、確認、共感」
まとめ

 

Seminar5

Q&A

Case Conference グループワークでの事例検討

症状とコントロール(1)
  Case1:医師と看護師との間で痛みの認識がずれている
  Case2:ペインコントロールでの薬の使い方
  Case3:せん妄状態のコントロールモルヒネに対する偏見や抵抗にどう対抗するか
  Case4:痛みの客観的な評価がしにくい状況の改善
  Case5:急患時患者の自己決定に反して、家族の意向で挿管することについて

真実を告げる
家族のケア
感情の表出を促す
チームでのコミュニケーション
コミュニケーションとスピリチュアルケア
症状コントロール(2)

 

Seminar6

ターミナルケアにおける
コミュニケーションスキル

柿川房子(佐賀医科大学看護学科)
山崎章郎(聖ヨハネホスピスケア研究所)
志真泰夫(国立がんセンター東病院緩和ケア病棟)
庄司進一(筑波大学臨床医学系)
高沢洋子(淀川キリスト教病因訪問看護ステーション)
臼田美智子(MSW)

課題1: 告知 / インフォームドコンセントにおけるコミュニケーションのポイントは?
課題2: 告知後の患者の「早く死なせてほしい」という訴えにどう対処するか?
課題3: 「家に帰りたくない」患者のコーピングのための方法は?
課題4: 家族の反対で末期患者のニーズに応えられないとき
課題5: spiritualcare: 生き方に関わる問題
     ――最後まで否認を続けた患者をどう理解したらよいのか?
課題6: ホスピスやターミナルケアの目的は、患者の「受容」にあるのか?
課題7: 末期になってからの告知は残酷か?
課題8: 患者が希望を失わないような告知はあるか?
課題9: 告知のあり方をスタッフでどう決めていけばいいか?
課題10: 治療のために安易な告知が行なわれている現状をどうするか?

 

Seminar7

BreakingBadNews
悪い知らせを伝える
〜10ステップアプローチ〜

[原著]PeterKaye ピーター・ケイ
(シンシア・スペンサー・ホスピス医長、英国内科医師会会員、緩和医療学コンサルタント)
[訳者]柿川房子(佐賀医科大学看護学科) 佐藤英俊(佐賀県立病院好生館緩和ケア病棟)

はじめに
序論
なぜそれは重要なのか?
なぜそれは難しいのか?
やってはいけないアプローチ方法
「どうか言わないで」
  ■Step1 患者から家族に会う許可を得る
  ■Step2 患者と話す
  ■Step3 患者と単独で話をする
  ■Step4 患者と家族、一緒に話をする

悪い知らせを伝える10のステップ
  Step1: 準備
  Step2: 患者は何を知っているか
  Step3: さらに情報をほしがっているか
  Step4: 否認することを許す
  Step5: 警告を発する
  Step6: 説明(求められた場合)
  Step7: 心配事を引き出す
  Step8: 感情の表出
  Step9: まとめと計画
  Step10: いつでも相談にのることを伝える
  フォローアップ1: さらなる説明
  フォローアップ2: 感情面の調整
  フォローアップ3: 家族と会う

考察
  事態を予想する
  仮定を避ける
  医療者間のコミュニケーション
  すべてがうまくいかないとき

結論とまとめ

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