呼吸(いき)する環境
キャロル・ヴェノリア著 石田 章一監訳 神木 妙 ・ 田中 栄 訳 /A5判変型上製 260頁 /
税込2310円 /ISBN4-89007-110-5 C0070「癒しの環境」という言葉は、二重の意味を意図するものです。人を癒す空間を見出し、創り上げていくということ、私たち自身もその空間にとっての癒しをもたらす者となることが重要であるという二点です。癒しの力を持つ住まいや職場で自らを強め、また積極的な変化を生みだす者としての可能性を自覚することで、私たちは自らの影響力の及ぶ世界を拡げ始めます。
環境の一つの側面を癒すたびに私たちは自らの生命力を強めるばかりでなく、他者にも癒しをもたらすのです。癒しの環境を深く識ることで、癒しを必要としている空間、さらには私たちを直接とりまく世界の外側で生き生きと感じられる空間をも、よりしっかりと知覚できるようになるのです。」(本文より)
インドア・エア・クオリティが問われる現代、健康を維持するために実行可能なものは何か。地球人としてのグローバルな視点と建築家・心理学者のプロの目で迫る! ホルムアルデヒド濃度測定器保有公的機関一覧、日本における癒しの環境情報源リスト収録。
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検索語:環境工学,心理学,住宅,住居,建築工学,建築設備,デザイン,設計,インドアエアクオリティー,室内空気室,シックハウス,症候群,化学物質過敏症,照明,色彩,植物,園芸,冷房,暖房,空気調和,空調,音
呼吸(いき)する環境
もくじ
謝辞
序文
第1部 背景
chapter1 ようこそ
chapter2 健康と空間
1 肯定的な自己認識を促す
2 自然、文化、人間とのつながりを深める
3 プライバシーが考慮されている
4 身体に害を与えない
5 意味のある、そして変化してゆく刺激をもたらす
6 リラックスの時間を生まれやすくする
7 生産的なかたちで、環境と私たちが相互に作用することを可能にする
8 一貫性と柔軟性とのバランスを生みだす
9 美しい
chapter3 屋内と屋外
chapter4 認識すること、そして力を得ること
chapter5 自分を識ること、家、そして心
第2部 諸要素
chapter6 シンボルと環境からのメッセージ
chapter7 光
chapter8 色
赤(Red)
黄(Yellow)
青(Blue)
オレンジ色(Orange)
緑(Green)
紫(Purple)
藍色(Indigo)
すみれ色(Violet)
白(White)
黒(Black)
ピンク(Pink)
ターコイズ(Turquoise)
マゼンタ(Magenta)
緋色(Scarlet)
茶色(Brown)
灰色(Gray)
金色(Gold)
銀色(Silver)
chapter9 温熱環境
1 健康と温熱環境
2 快適な温熱の諸相
湿度
冷房
暖房
chapter10 音と騒音
音の環境を癒すということ
騒音から逃れる(回避)
ランドスケーピング(造園)
建築による方法
屋内の騒音のコントロール
音を吸収させる
癒しをもたらす音
chapter11 屋内の空気の質
1 屋内の空気にまつわる危険―主な屋内空気汚染物質の特質
ホルムアルデヒド
燃焼による生成物
ラドン
アスベスト
ハウスダスト
カビ
鉛
軟材
空気イオン
家庭用品
水
2 環境のクリーン・アップ
土地の選定
デザイン
換気
ろ過
3 建材
構造材・断熱材・床・壁
4 オアシス
chapter12 植物と庭
第3部 総合
chapter13 応用
1 眠り
2 食事をつくること・食べること
3 バスルーム
4 仕事場
5 リラクセーション
6 誕生
7 子供たち
8 老年期
視覚
温度に関わる快適さ
対策をとる
方向づけ
人間としての尊厳
9 死を迎える
chapter14 デザインの諸要素
1 中心と境界
2 方向づけ
3 空間のエネルギー
4 形状
5 バランス
6 愛情
chapter15 癒しの中心となるところ
chapter16 行動を起こす
1 リストをつくる
個人としての健康
現在の環境・手に入る頼りになるもの
他者
自分を認識すること
2 今、あなたがいる空間
自分が所有していない空間を癒す
建物を自分で所有している場合
新しく建物をつくる
3 デザイン
4 建築施工
5 健康を築く
chapter17 終章そして始まり
参考書目
「呼吸する環境」の読み方
監訳者が選んだ癒しの環境情報電話帳
ホルムアルデヒド濃度測定器保有公的機関一覧〔ご注文はこちら〕〔出版案内表紙へ戻る〕
〔住宅と健康関連書籍へ戻る〕「この本は、地球環境を論じたり環境破壊を告発する本ではない。著者によれば、『癒しの環境(原題)』という言葉には二重の意味がある。
人を癒(いや)す空間を見つけ、創りあげていくこと。人もその空間に癒しをもたらす者となること。たとえば『癒しの力をもつ住まいや職場で自らを強め、また積極的な変化を生み出すものとしての可能性を自覚することで、私たちは自らの影響力のおよぶ範囲を広げ始める』という。
現代人がかかえる心の問題を住まいにまで広げ、読者とともに考えを深めようとする。生活の中に精神世界の考察を持ち込み、役立てようとする本。」
「日経産業新聞」
「危機的状況といえる現代環境の中で、私たちはどのようにして心身の健康を維持できるのか、そして地球とともに生きていけるのかが本書のテーマ。
空気の質、光、音、温熱環境、環境からのメッセージ、植物と庭、建材や土地の選定と改善、様々な人生の場面における空間デザインといった具体的なことが、女性建築家らしい目配りで書かれている。
人を癒(いや)す空間の発見と創造は、同時に環境をも癒すという著者の透徹した視点は、これからの病院や住宅建築、仕事場や様々な施設のあり方を広く示唆し、希望ある次世紀の創造へと導いてくれる。建築やデザインの専門家はもとより、我々、生活者必読の書とも言える一冊。」
「日刊工業新聞」