回復する聾
人工内耳で聴覚は蘇る  

東京医科大学教授 舩坂宗太郎 著 / A5判上製 224頁 /
税込3873円/ ISBN4 89007-092-3 C2047 

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「筆者は、8512月、日本で初めて人工内耳手術に成功した。本書では医師の立場から、人工内耳とは何か、その詳細や効果について最新のデータをもとに説明。」
  「いくおーる」

「人工内耳の聞こえのメカニズムから聞こえの程度、手術の適応から方法、リハビリテーションに至る、人工内耳の全てを網羅した本。」
  「
KAIGO

人工内耳の出現は、突発性難聴などで急に失聴した人や、生まれつき耳の聞こえない子どもに「音」を取り戻すことを可能にした。人工内耳の「聞こえ」の仕組み、「聞こえ」の程度、日本での人工内耳の対象者を平易に解説。さらに手術からリハビリテーションまでを含む、人工内耳のすべてを網羅したはじめての一般書。

検索語:人工内耳,概観,概説,解説,一般向け,理解,感音性難聴,失聴,根本的,治療,手術,機器,装着,装用,事例,具体例,リハビリ,効果,評価,数値,資料,作動,原理,機構,メカニズム,

 

回復する聾 人工内耳で聴覚は蘇る  

もくじ


はじめに

第1章 音が無い世界の辛さ

耳が聞こえないということ

『聞こえ』を失った人々の思い

 髄膜炎で聾となったTさん
  次第に難聴が進行し聾となったYさん
 突発難聴で聾となったHさん
 孤独感にさいなまれる失聴者

人工内耳の出現 感覚器で初めての人工臓器
  
 感動の一瞬
 人工内耳で人生が変わる
   1髄膜炎で音と決別
   2現実が受け入れられない
   3日本で三人目の装用者に
   4ふたたび聞いて
   5音の情報は多彩
   6欲張りすぎて失敗
   7苦手な話し方や相手
   8スピーチ・プロセッサの進歩
          SPECTRAの聞こえ(一九九〇年三月・比較は対WSP)
                     SPECTRAの聞こえ(一九九四年七月・比較は対MSP)
   9聞こえることは素晴らしい
   10人工内耳の手術を考えている方に
   11リハビリテーションの心構え
   12人工内耳での聞こえ
   13否定的な声もありますが・・・・・
   14もう一人の自分を発見
  難聴者の社会のありかた
  人工内耳友の会[ACITA]のご紹介

第2章 ヒトの進化の起点 耳

ヒトにとって耳とは
  ヒトとチンパンジーの違い
  その違いはなにか
   二足歩行
   言語によるコミュニケーション
  耳で文明的進化がもたらされた

第3章 聞こえのメカニズム

音を聞く仕組み
   仕組み解明の歩み
 鼓膜の動き
  計測方法の進歩
 耳小骨の働き
  人体最小の骨
    音を「あご」で聞く
   耳小骨は「あご」の骨
  ささやき声も聞きとる鼓膜
 内耳の働き
  音の高さの聞き分け
  蝸牛の精密な分析
  蝸牛の機能はマイクロホンと同じ
  生きている蝸牛の鋭い分析
  分析の主役
 話し声を分析する

聞き分ける仕組み

 音に対する脳の働き
  言語で発達した大脳
  運動をコントロールする小脳
  生命維持のための脳幹
  聴覚と脳幹
  音への反応パターンの変化
  聴性脳幹反応
 言葉と大脳
  「語りかけ」が必要
  三つ子の魂百までも
  言葉の意味を理解する

第4章  聾回復を目指して

人工内耳との出会い
  スタンフォード大学での衝撃
  試作の人工内耳
  実用段階に入る

試行から普及へ

  第一号の手術に成功
  高度先進医療から保険適用へ
  チルドレン・センターの設立

22チャンネル人工内耳

  蝸牛の肩代わり  

人工内耳の構造

  電極部
   電極
   レシーバ・スチミレータ
   携帯型音声処理器(スピーチ・プロセッサ)
   WSP
   MSP
   SPECTRA- 
  聴覚特性テスト・作動プログラム作製装置

人工内耳の対象

  言語訓練が重要条件
  コクレア社(オーストラリア)の基準
  日本の基準 

幼児と人工内耳
  補聴器より有効な人工内耳
  どのような子どもが対象になるか
  赤ちゃんは言葉をどのように覚えるか
     生後すぐ音を聞いている
     クーイングとマザーリーズ
     言葉のヨチヨチ歩き 喃語
     母親だけが分かる個体言語
     一歳半ごろから通常語
  先天聾を見分けるには
  脳での言葉の受けとめかた
    言葉の理解の要因
    視覚もたいせつな要素

第5章 人工内耳の手術とリハビリテーション

術前の検査
  あらゆる観点から
  聴神経の働きを調べる
  内耳の状態を調べる

手術の手順
  切開前の準備をする
  側頭骨をけずる
  内耳に穴をあける
  蝸牛に電極を挿入

手術後のリハビリテーション

  マッピング
  聴能訓練
   訓練の目的
   訓練の方法
   母音の聞き分け練習
   子音の聞き分け練習
   文復唱テスト(スピーチ・トラッキング)
   音声知覚の評価
  カウンセリング
  人工内耳のメリット
  人工内耳の限界
  人工内耳装用者の心理と対策
  日常生活の注意点
  器械のチェック
  自立の精神

第6章 人工内耳の評価

装用者の評価  
  アンケート調査の質問事項
  人工内耳の使用状況
  聞こえの具合
   会話の速さ
   読話との併用
   静かな場所
   雑音がある場所
   教養・娯楽・電話・アナウンス
   会話のハンディキャップの克服
   環境音の識別
   人の声の識別
   装用の感想
   満足度
   日常生活での変化
  調査結果から
  音のある世界に戻れた喜び

装用者の聞き取り能力

  母音の聞き取り
   母音の正答率
   母音の異聴
  子音の聞き取り
   答率と情報伝達率
   読話併用で高い情報伝達率
   情報伝達率の解釈
  人工内耳は日本語に有利?
  どの程度の聞こえになるか
   患者さんの意欲
   単語と文
    聞き取り検査
   単音節・単語・文の正答率
   正答率の相関関係
   人工内耳と読話の役割
   主役は人工内耳

新型のスピーチ・プロセッサ

   蝸牛に似た働き
   騒音下でも対応


巻末資料
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巻末資料
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 おわりに

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